目を閉じると痛いのは何故?骨や筋肉が痛い場合は疾患の可能性も
目を閉じて痛みを感じる場合は、一時的なものから目の疾患の可能性があります。一時的な痛みの場合、目を洗って様子を見ることで痛みが引くかもしれません。
しかし、数日経過しても痛みが引かない場合は、目の病気の可能性があります。この記事では、目を閉じたときに発生する痛みの原因や対処法、慢性的な痛みを感じる場合の疾患について解説していきます。
目を閉じたときの痛みの原因
ゴミやホコリなどの異物が目に入った
ゴミやホコリといった異物が目に入ると、目を閉じたときに痛みを感じたり、ゴロゴロした感じを覚えやすいです。
この状態で目を擦ると眼球を傷付けてしまう可能性があるので、何度かまばたきをしてみるか、洗眼液で洗い流してみてください。とくに砂や鉄粉など、硬めのゴミが目に入ったときは、絶対に擦らないようにしましょう。
汚れている、もしくは破損したコンタクトレンズを装着した
汚れたまま、もしくは破損したコンタクトレンズを使用し続けると、目に痛みを感じやすいです。古いレンズを使い続けたり、洗うときに強く擦りすぎたりすると、コンタクトレンズは破損します。
コンタクトを装着して目に痛みを感じたら、使用はすぐにやめて新しいレンズに変えてください。
強い紫外線を浴びた
「目の日焼け」というものが存在し、強い紫外線を浴びたときに発生します。目の日焼けが引き起こす痛みとして、「目の充血」や「紫外線角膜炎」が挙げられます。
紫外線角膜炎とは、紫外線を浴びた日の夜に強い痛みが出る症状です。「雪目」と呼ばれる雪眼炎の症状と一緒で、紫外線を浴びてから数時間後に症状が出ます。
そのため紫外線の強い夏場は、日光を避けたりUVカットのレンズをかけたりするなどして、目を保護するようにしてください。
痛みのほかには、目がショボショボして見えづらくなったり、かゆくなったり、涙が止まらなくなったり、といった症状も出ます。
目の日焼けについては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
目が痛くなったとき、すぐにできる対処法
異物の混入は目を洗浄する
目に異物が入ったら、目や目の周りをすぐに洗い流してください。まずは手を洗い、清潔な状態にします。清潔な手で、まぶたを裏返してから異物を丁寧に取り除いてください。
手で掴めない細かいゴミの場合は、綺麗な水か洗眼液で目を洗い流しましょう。もしも水や洗眼液をすぐに使えない場合は、何度かまばたきを繰り返して、涙で異物を洗い流すようにします。
コンタクトレンズの場合は使用を控える
コンタクトレンズを装着して、目に痛みを感じる場合は使用を控えてください。コンタクトの汚れが落ちていない場合は、レンズを洗浄し直してから再び装着してみます。
それでも痛みを感じる場合は、レンズの寿命だったり破損していたりしている可能性があります。しばらくはメガネで代用して、新しいコンタクトレンズに買い替えましょう。
紫外線で痛みを感じる場合はサングラスや調光レンズの着用を
夏場に痛みを感じる場合は、紫外線が原因です。その場合は、サングラスをかけるようにしましょう。紫外線対策のサングラスは、「UVカット率99%以上/紫外線透過率1.0%以下」のレンズを選んでください。
仕事や日常生活で使うならレンズが透明な「クリアレンズ」や、紫外線の量でメガネに色が出たり消えたりする「調光レンズ」がおすすめです。
紫外線対策のサングラスの選び方については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
慢性的な目の痛み、涙が止まらない場合は病気の可能性も
目を洗ったりコンタクトレンズの使用を控えたりして、痛みが引かない場合は目の病気の可能性があります。
また目を閉じたときはもちろん、目の下や目の横などの目の周り、骨や筋肉が痛い場合も、病気を患っている可能性があります。
目や目の周りの痛みを慢性的に感じる、涙が止まらない、片目だけ違和感が止まらないなどの異変がある場合は、すぐに医師に相談するべきです。
ここからは、異変を感じた際に起こる、目の病気について解説していきます。
眼精疲労
眼精疲労とは、目に強い負担がかかっている状態です。目を閉じたときに眼球の奥が痛んだり、痛みに加えて目が充血したりしたら、眼精疲労かもしれません。
眼精疲労を放置すると、頭痛や肩こりなどが起こるので、早めに診てもらう必要があります。目の疲れだと思っても、休んだだけで目の疲労が回復しないのなら眼精疲労です。
眼精疲労については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
ドライアイ
ドライアイとは一時的な目の乾きではなく、目の乾きによって涙の量が減ったり、涙の質の変化で眼球表面を潤す力が不足したりする病気です。
目が乾いた状態が長く続くとドライアイになり、角膜に必要な酸素や栄養素が不足して、目の疲れ・痒み・充血・ゴロゴロとした異物感などを引き起こしてしまいます。
ドライアイについては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
ものもらい(麦粒腫・ばくりゅうしゅ)
ものもらいとは「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」とも呼び、まぶたの一部が細菌感染して、まぶたが赤く腫れた状態です。
痒みやまばたきをする際の異物感、まぶたが重くなったり痛みを生じたりするなどの症状を覚えます。症状が進行すると痛みが強くなり、患部が膿を持って白くなることもあります。
結膜炎
結膜とは、白目の表面やまぶたの内側をおおっている薄い膜で、両者は袋状につながっています。この結膜に細菌やウイルス、アレルギー物質などが侵入すると、炎症を起こして痛みを感じやすいです。
細菌(ばい菌)による結膜炎は「細菌性結膜炎」で、はやり目やプール熱によるウイルス性の結膜炎は「ウイルス性結膜炎」、花粉やハウスダストなどアレルギー物質の結膜炎は「アレルギー性結膜炎」と言います。
目ヤニが多く出たり、腫れや充血を感じる場合は、結膜炎の可能性があります。
角膜炎
角膜は黒目の部分で、血管の無い無色透明な組織です。血管の無い無色透明な組織で、角膜上皮という膜によって微生物が侵入できないようになっています。
しかし、角膜上皮に傷が付くと、細菌やカビなどが侵入して角膜が炎症を起こします。目を開けられないほどの痛みになるため、最悪の場合は視力障害が生じるかもしれません。
また、角膜の断層は5層になっており、角膜上皮に傷が付いて、その下の層の基底膜にまで達する深い欠損を伴ったときは「角膜上皮剥離(かくまくじょうひはくり)」といった病気です。
強いうずくような痛みで、涙が止まらなくなります。
急性緑内障発作
急性緑内障発作とは、閉塞偶角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)を発症し、眼圧が急上昇します。
目の痛みはもちろん、頭痛や吐き気などの症状を引き起こします。症状の進行によっては、一晩で失明してしまう可能性のある恐ろしい病気です。
眼精疲労と症状は似ているため、できるだけ早急な治療が必要になります。異変を感じたら、すぐに医師に相談してください。
慢性的な目の痛み、目の周りの骨や筋肉が痛い場合は医師に相談を
目の病気は、どれも症状が似ているため、すぐにどの病気かは判断できません。
- 目を閉じたときや、目の周りの痛みを慢性的に感じる
- 涙がずっと出る、涙が止まらない
- 片目だけ違和感がとれない
- 目ヤニが多く出る
- まぶたが腫れている
- 目が充血している
- 目の痛み以外にも、頭痛や吐き気がする
以上の症状が出る場合は、今回紹介したいずれかの病気になっている可能性が高いです。1日〜2日ほど様子を見ても痛みが引かない場合は、すぐに眼科へ行き医師に相談してください。