目の上が痛い原因は?慢性的な痛みは病気の可能性が高い
目の上(主にまぶた辺り)が痛い場合、突発的にゴミやホコリなどの異物が目に入った可能性があります。
しかし、慢性的に目の上や目の奥が痛かったり、まぶたを押したときに目が痛かったりする場合は、目の疾患かもしれません。
この記事ではケース別に、目の上が痛いときの原因について解説していきます。
目次
突発的に目の上が痛い場合は、異物が混入した可能性がある
たとえばゴミやホコリといった異物が目に入り、まぶたに付着することで目の上に痛みを感じる場合があります。目がゴロゴロしたり、涙が止まらなかったりする場合は、綺麗な水や洗眼液で洗い流してください。
ちなみに異物が入ったまま目を擦ると、眼球を傷付けてしまう可能性があります。目がゴロゴロするなどの違和感を感じる場合は、まずは目を洗いましょう。
慢性的に目の上が痛い場合に考えられる病気
目の上の痛みをはじめ、こめかみや目の奥の辺りが痛い場合は、眼精疲労や緑内障発作の疾患が考えられます。
眼精疲労
眼精疲労とは、休息しても目の疲労がとれない病気のことです。スマホやパソコンの画面を長時間見たり、睡眠不足やストレスを感じたりしたときに起こります。
最初のうちは目がゴロゴロして違和感を覚えていき、次第に目の上や目の奥が痛くなります。最悪の場合は頭痛や肩こり、吐き気などの体調不良を発症するので、放置すると危険です。
眼精疲労については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
緑内障発作
急性緑内障発作とは眼圧が急上昇し、目の上をはじめ目の奥や目の周りに痛みが発生します。目の痛みのほかには眼精疲労と同様に、頭痛や吐き気などの症状を起こすことがあります。
眼圧の高い状態が続くと、視神経が障害されて視野が欠損していき、失明してしまう可能性のある恐ろしい病気です。
40歳以上に多い病気ですが、近年では20歳代〜30歳代の若い人でも発症するケースが見られます。緑内障発作の場合は早急な治療が必要で、早期発見するためにも年に一回は眼科の定期検診を受けてください。
まぶたを押すと痛い、片目だけ痛いときに考えられる疾患
目の上の痛みには、「まぶたを押すと痛い」といったケースもあります。まぶたを押して痛いときは、ものもらいや結膜炎などの疾患が可能性として考えられます。
ものもらい(麦粒腫・ばくりゅうしゅ)
一般的に「ものもらい」や「めばちこ」と呼ぶもので、正式名称は「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」です。まぶたの一部が細菌感染して、まぶたが赤く腫れます。
また、痒みやまばたきをする際の異物感、まぶたが重くなり痛みを生じたりする場合があります。症状が進行すると、患部が膿を持ち白くなることもありますが、膿が出てしまえばその後は回復に向かいます。
はやり目(流行性角結膜炎・りゅうこうせいかくけつまくえん )
片目だけ目が痛い場合は、「はやり目」の可能性が考えられます。アデノウイルスというウイルスの感染が原因となる病気です。
特に片目だけ強く充血したり、まぶたの腫れやサラサラした目ヤニが出る場合は、はやり目の可能性があります。
はやり目の場合は、手を介して伝染するので、他人からも感染したり他人へと感染させてしまうリスクがあります。3週間ほどで自然に治りますが、子供の場合は医師がOKを出すまでは学校に行くことができません。
結膜炎
結膜炎とは細菌やアレルギー物質、ウイルスが原因で結膜に炎症が起こる病気です。結膜炎には、細かく分けて以下の3つの疾患が存在します。
細菌性結膜炎 | 細菌が目に入ることで、黄色い膿のような目ヤニが出てゴロゴロ感を覚えます。 |
アレルギー性結膜炎 | アレルギーの原因となる物質が目に入り、ゴロゴロ感を覚えます。 アレルギーの原因は、主に花粉・ハウスダスト・ダニ・動物の毛などです。 症状が重いと、白目の部分がむくんでブヨブヨとした状態になります。 |
ウイルス性結膜炎 | ウイルスが原因で起こる結膜炎のことです。 ・流行性角結膜炎(はやり目) ・咽頭結膜熱(プール熱) ・急性出血性結膜炎 目ヤニやまぶたの腫れによって、目のゴロゴロ感を覚えます。 |
目ヤニが多く出たり、目がゴロゴロしたりするのが主な症状ですが、まぶたを押すことで痛みを感じることがあります。
※結膜とは、白目の表面やまぶたの内側をおおっている薄い膜で、両者は袋状につながっています。
コンタクトレンズ障害
コンタクトレンズが原因で、角膜に傷が付いている可能性があります。炎症以外にも目が痛くなり、充血や目ヤニ、涙も出やすいです。コンタクトレンズ障害の原因は、主に以下の5つになります。
- レンズが汚れたままコンタクトを装着した
- 破損したコンタクトを装着した
- 目の形に合わないコンタクトを使用している
- コンタクトを長時間装着した
- コンタクトを装着したまま寝た
おしゃれ目的でカラコンをした場合、目の形に合わないものを選ぶことがあり、コンタクトレンズ障害を起こしやすいです。強い炎症を起こすと角膜が白くなり、視力が低下する危険性もあります。
頭痛から目の痛みを感じる病気
目の疾患で頭痛を感じることがありますが、頭痛が原因で目の上や目の奥が痛くなるケースもあります。主に片頭痛や、脳血管障害といった病気は、目の痛みを感じやすいです。
片頭痛
片頭痛は発作的に頭痛を繰り返す疾患で、目の奥に痛みを感じる人もいます。片頭痛では、閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる前兆現象が起こることがあります。
閃輝暗点とは、目がチカチカしたりギラギラしたりするように感じます。数分から数十分ほどチカチカが続き、脳の血管が一時的に痙攣を起こしているのが原因です。
片頭痛が起こる原因としては、疲労の蓄積やストレス、睡眠不足などが挙げられます。
脳血管障害
脳血管障害とは、脳の血管が狭まったときに起こる「脳梗塞」や、脳の血管が破れた場合の「脳出血」などが挙げられます。
また「くも膜下出血」の場合は、強烈な頭痛に加えて目の奥に痛みが走ります。脳血管障害の原因は高血圧や糖尿病、高脂血症などによる動脈硬化です。
痛みがずっと続く場合は医師に相談を
突発的に、目の中に違和感を覚えて痛みを感じる場合は、目に異物が混入した可能性が高いです。その場合は、綺麗な水や洗眼液で目を洗い流しましょう。
慢性的に目の痛みが続いたり、まぶたを押すと痛みが走る場合は、何かしらの病気の可能性があります。痛みが引かないときは、眼科で診察してもらいましょう。
また「頭痛+目の痛み」の場合は、片頭痛や脳血管障害の可能性も考えられます。眼科の治療で解決しない場合は、内科や脳外科で診察を受けてください。