眼精疲労と肩こりの関係について|肩こりの解消方法と防止方法
肩こりになる原因は、眼精疲労が関係していることをご存知でしょうか?製薬会社「エーザイ株式会社」の調べによると、眼精疲労の方の約2人に1人が肩こりを訴えているというデータがでています。
引用:眼精疲労と肩こりの関係|眼精疲労の原因と対策|エーザイ株式会社 (eisai.jp)
なぜ、眼精疲労になると肩こりが起こるのでしょうか?この記事では眼精疲労と肩こりの関係性から、肩こりになりやすい生活習慣、自力でできる対処法について解説していきます。
目次
眼精疲労と肩こりの関係について
眼精疲労と肩こりの関係については、「神経の働き」と「血行不良」が挙げられます。
神経の働き
眼精疲労になると、肩こりや首の付け根にこりを感じやすいです。それは、共通する「神経の働き」が関係しています。眼精疲労と肩こりに共通する神経は、自律神経系(交感神経と副交感神経)です。
【自律神経系の機能】
- 交感神経:体と心が興奮モードのときに優位に働く神経。自動車でいうアクセルのようなもので、仕事や勉強など作業に没頭する際に機能する。
- 副交感神経:体をリラックスさせるときに働く神経。自動車でいうブレーキのようなもので、睡眠や休息をする際に機能する。
適度に働き適度に休むことで自律神経系のバランスは保たれますが、このバランスが崩れると、眼精疲労や肩こりが起こりやすくなります。
血行不良
眼精疲労は肩こりと同様に、目の周りの筋肉が血行不良に陥ることも原因のひとつです。目を使う作業を続けると、目の周辺の筋肉が緊張し、血液や酸素の供給が不足します。これにより、目や肩に痛みや疲労感が生じます。
眼精疲労にも肩こりにもなりやすい生活習慣
眼精疲労と肩こりになるのは、神経の乱れと血行不良が関係しています。神経系のバランスの乱れや、血行不良になる大きな原因が「ストレス」です。
ストレスが溜まると、目・首・肩・背中の筋肉を過度に緊張させてしまいます。これらのストレスがかかるのは、以下の生活習慣が原因です。
- スマホやパソコンで長時間作業をしている
- 書類や本などの資料を目で追う作業が多い
- 長時間労働
- 精神的なストレス
- 睡眠不足
- 度数やフレームが合っていないメガネを使い続けている
スマホやパソコンで作業すると、ついつい長時間同じ姿勢でいたり目を使いすぎたりします。また、人間関係など精神的なストレスを抱えこむと、自律神経が乱れたり睡眠不足になりやすいです。
メガネユーザーの場合、度数やフレームが合っていないメガネを使い続けていると、見え方に影響が出て、目や体にストレスがかかりやすくなります。
眼精疲労や肩こりを防ぐには「適度な休息」と「運動習慣」が大切
眼精疲労や肩こりを防ぐには、「適度な休息」と「運動習慣」が鍵になります。
適度な休息
目や体に負荷がかかる作業を行うときは、適度な休息をとって、目や体を休ませましょう。休息中には目薬をさしたり、目を冷ましたり温めたりするのが効果的です。
眼精疲労や肩こりになる生活習慣として、スマホやパソコンの長時間作業が挙げられます。1時間に1回は休息をとって、目や体をリラックスさせてください。
なお、画面を見る際はまばたきの回数が減って目が乾きやすいので、作業中は意識的にまばたきをするのも効果的です。
眼精疲労の対策については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
運動習慣
肩こりの原因として、運動不足やストレスが挙げられます。これらの原因を解決するには、運動習慣をつけるのが効果的です。運動をすると全身の血行が良くなり、肩こりを予防できます。
肩こりを予防する運動はハードな筋トレよりも、散歩やウォーキングなど軽めの運動がおすすめです。筋肉に強い負荷をかけるよりも、筋肉を動かすことに意味があるため、習慣的にストレッチ運動をするだけでもかまいません。
ウォーキングの際は手を少し大きく振る、ストレッチで屈伸運動をする際は、膝を伸ばすときに両手を上や前・横に伸ばすことで、肩の筋肉をほぐせます。
自分でできる肩こりの解消方法
ストレッチ
長時間スマホやパソコンの画面を見たり、読書をしたり資料を見たりすると肩こりになりやすいです。これらの作業をしたあとは、以下のストレッチをして血行を良くしましょう。
- 肩に力を入れながら、両肩を上げる
- 両肩を上げた状態を10秒間キープして脱力する
- この作業を3~5回繰り返す
このストレッチは、体を緊張状態にしてから脱力することで、血行を改善する狙いがあります。職場や学校など、どんな場所でも1分ほどあればできるので、目の疲労や肩こりを感じたら是非お試しください。
マッサージ
眼精疲労や肩こりには、マッサージをするのが効果的です。腕や目の周りをマッサージすることで、肩こりをやわらげることができます。腕をマッサージする際は、指先から肩に向かってさするだけでも効果的です。
肩と腕の筋肉はつながっているため、腕の筋肉をもみほぐすことで腕の血流を良くすると、肩周りの血流も改善されるので、肩こりがやわらぎます。
また、目の周りをマッサージすることで、目の疲れをやわらげて血行改善ができます。目の周りのマッサージは、以下の方法がおすすめです。
- 両手の親指で、眉毛と目の間にあるくぼみを、外に向かって10回ほど押す
- 鼻の付け根部分を指でつまみ、4回ほど上へ押し上げる
- こめかみ部分を指でクルクル押しながら、10回ほど回す
目のストレッチやマッサージに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
市販薬を購入する
ストレッチやマッサージでなかなか肩こりを解消できない場合は、市販薬に頼るのもおすすめです。肩こりの症状による、市販薬の選び方は以下を参考にしてください。
- 筋弛緩剤:カチコチにかたまった筋肉をほぐしたい場合
- ビタミンを含む飲み薬・サプリメント:筋肉疲労や眼精疲労による肩こりの場合
- 痛み止め・鎮痛効果タイプ:肩こりによるひどい痛みを緩和したい場合
- 消炎鎮痛剤:筋肉痛による痛みが強い場合
- 温湿布:慢性的な肩こりで血行促進をしたい場合
これらの市販薬はドラッグストアに置いてあるので、購入する際は薬剤師に症状を相談するのがおすすめです。
自力で解決できない場合は病院や整骨院に相談を
ストレッチやマッサージ、市販薬で肩こりを解消できない場合は、病院や整骨院に相談をしてください。病院と整骨院では、肩こりを改善するための方法が異なります。
- 病院:注射や薬などで症状をやわらげる「対症療法」が一般的
- 整骨院:肩こりの原因を根本から解消する「原因療法」が一般的
眼精疲労から肩こりになっている場合は、眼科に相談するのがおすすめです。慢性的な肩こりを感じている場合は、整骨院や整形外科に相談してみてください。