目の健康

目がゴロゴロするのはなぜ?原因や対処法、病気の可能性について

目がゴロゴロする経験、ありませんか?目に異常を感じると、気になって仕方がありません。

目がゴロゴロする原因は、目に異物が入っている、花粉症などが挙げられます。目薬や洗眼液で改善される場合もありますが、長時間経っても改善されない場合は、何らかの病気が潜んでいる可能性もあります。

この記事では、目がゴロゴロする原因や、治まらない場合のリスクについて解説していきます。皆さんもぜひ参考にして、健康な目を保ってください。

目がゴロゴロする原因は?

目の乾き

目が乾くことで、ゴロゴロを感じることがあります。目が乾くのは、以下の原因が考えられます。

  • スマホやパソコンの画面を長時間眺めている
  • 車の運転で目をずっと見開いている
  • エアコンの効いた室内にいる
  • 加齢により涙の分泌量が減ってきている

目の乾燥はエアコンによる部屋の乾燥やパソコン作業、車の運転などによるまばたき回数の減少が主な原因とされています。

目が乾くと、涙の分泌量が減ったり蒸発してしまったりするため、目に潤いがなくなり、ゴロゴロとした異物感を感じやすくなります。

さらに、強いストレスも自律神経の働きを低下させて涙の分泌を抑制するため、目の乾燥や異物感が起こりやすくなります。

コンタクトレンズ

コンタクトレンズを長時間装着していると、目が乾燥して目のゴロゴロ感を覚えることがあります。

コンタクトレンズを装着しているときは、角膜に蓋をしている状態です。この状態が長時間続くと、角膜に涙が行き渡らなくなるため、酸素や栄養が不足するので目が乾燥してしまいます。

さらに、レンズに傷が付いている、もしくは汚れが付着したままコンタクトを装着すると、角膜の表面にダメージを与えて、異物感や痛みが生じるリスクがあります。

異物の混入

チリやホコリといった異物が目に混入すると、ゴロゴロしやすいです。たとえば細かいゴミやまつ毛などが目に入ると、まばたきをするたびに目がゴロゴロします。

目に異物が混入した場合は、涙によって目の外に排出しようとします。しかし、それでも異物を取り除けなくて、目の中に入ったまま放置すると、黒目(角膜)に傷が付いてしまう場合もあるので注意が必要です。

逆さまつ毛

まつ毛は本来、目から外側に向かって剃るように生えています。逆さまつげは、まつげが目の内側に向かって生えている状態です。逆さまつ毛は、まつげが眼球に入りやすく、角膜や結膜に当たりやすくなります。

そのため異物が混入しているのと同じで、目がゴロゴロするのを感じやすいです。目のゴロゴロだけで済めば良いですが、最悪の場合は角膜や結膜を傷付けて、感染症を引き起こすリスクがあります。

逆さまつ毛は、生まれつきの場合がほとんどです。

「目がゴロゴロ、チクチクと痛い。」

「目ヤニがよく出る。」

「目が充血したり、かすんだりして見える。」

以上のように、お子様が訴えた場合は、一度眼科に相談しましょう。

アレルギー物質や細菌の侵入

アレルギー物質や細菌が目に侵入することで、ゴロゴロ感を覚える場合があります。目がゴロゴロした段階ですぐに目を洗ったり、目薬をさしたりすれば解決できる可能性があります。

しかし、数日間ゴロゴロが続く場合は、結膜炎や角膜炎といった疾患が起こっているかもしれません。この場合は眼科に行き、早い段階で治療するのがベストです。

目がゴロゴロしたときの対処法

目がゴロゴロする場合、以下の対処法を試してみてください。

  • 目や目の周りを洗う
  • コンタクトレンズの洗浄、使用を見直す
  • 目薬を使用する
  • 目を冷やしたり温めたりする

これらの方法で解決できない場合は、目に何かしらの疾患が起こっている可能性があります。

目や目の周りを洗う

目に異物が混入して、一時的にゴロゴロする場合は、目や目の周りを洗浄しましょう。手を洗って清潔な状態にし、手でまぶたを裏返してから異物を丁寧に取り除きます。

異物を取り除きにくい、もしくは取り除いても目がゴロゴロする場合は、水で洗い流すか、市販の洗眼液を使うのがおすすめです。

コンタクトレンズの洗浄、使用を見直す

コンタクトレンズを装着したときに目がゴロゴロする場合は、洗浄方法や装着時間を見直してください。ソフトレンズの場合は、水道水ではなく必ず専用の洗浄液を使用します。

洗い方は、ハード・ソフトレンズともに「こすり洗い」をしてください。正しいこすり洗いは、コンタクトレンズを外したら、洗浄液でコンタクトレンズをすすぎ洗いします。

その後、手のひらに洗浄液を数滴たらして、レンズの両面をそれぞれ20秒ほどこすり洗いすればOKです。

正しい洗浄方法でも解消できない場合は、レンズの寿命か、目に合っていないかのどちらかになります。この場合は眼科やお店に相談して、目に合うコンタクトレンズへと買い替えてください。

目薬を使用する

目薬を使用することで目の乾きを潤し、ゴロゴロした感じを抑えることができます。仕事でパソコンを使用したり、車の運転を長時間したりする人は、1時間に1回は目を休めて目薬をさすのが効果的です。

また、加齢によって涙の分泌量が減ると、目が乾いてゴロゴロします。年齢を重ねて目がゴロゴロするようになった人も、目薬を持ち歩いてこまめに使用するのがおすすめです。

目を冷やしたり温めたりする

目の異物感を覚えたり軽い炎症を感じたりするときは、冷たいおしぼりやタオルをまぶたの上に置くだけで楽になります。

目が乾燥している場合は、冷たいおしぼりやタオルでまぶたを冷やした後に、さらに温かいおしぼりやタオルを置いて、温めながら目の周りの血行を良くすることで症状が改善します。

目のゴロゴロが治らないときは病気の可能性も

【画像】結膜と角膜の主な位置

以下のケースは、目に何かしらの異常が考えられます。

「目がゴロゴロして、片目だけ充血する」

「なぜかずっと片目だけ ゴロゴロする。」

これらの場合、目が何かしらの疾患をかかえている可能性が高いです。ここでは、目のゴロゴロ感の原因となる、疾患について解説していきます。

ドライアイ

ドライアイは立派な疾患のひとつで、目の乾きが慢性的に起こる症状です。一時的な目の乾きの場合は、涙の量や質は安定していますが、ドライアイはこれが不安定な状態です。

目が乾いた状態が長く続くとドライアイになり、角膜に必要な酸素や栄養素が不足して、目の疲れ・痒み・充血・ゴロゴロとした異物感などを引き起こしてしまいます。

また、ドライアイは両目だけでなく、片目だけでも発症することがあります。

ドライアイについては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

眼精疲労

眼精疲労とは、目に強い負担がかかっている状態です。目のゴロゴロ感に加えて、以下の症状を感じる場合は、眼精疲労を疑ってください。

  • ものが霞んだりボヤけて見えたりする
  • 眼痛(目の奥が痛む)がする
  • 目が充血している
  • まぶたが痙攣する
  • 頭痛がする
  • 吐き気がする
  • めまいがする
  • 首や肩がこる

最初は目に症状が出て、ものが霞んだりボヤけて見えたりするところから始まりますが、最終的には頭痛や肩こりなど、体の不調を感じるようになります。

ひどい場合には手足のしびれ、全身の倦怠感などを招く恐れがあるので、軽視するのは危険です。

眼精疲労については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

細菌やアレルギー性による「結膜炎」

結膜は、白目の表面やまぶたの内側をおおっている薄い膜で、両者は袋状につながっています。この結膜に細菌やウイルス、アレルギー物質などが原因で、炎症を起こしているかもしれません。

結膜炎には、主に以下の種類が存在します。

細菌性結膜炎細菌が目に入ることで、黄色い膿のような目ヤニが出てゴロゴロ感を覚えます。
アレルギー性結膜炎アレルギーの原因となる物質が目に入り、ゴロゴロ感を覚えます。
アレルギーの原因は、主に花粉・ハウスダスト・ダニ・動物の毛などです。
症状が重いと、白目の部分がむくんでブヨブヨとした状態になります。
ウイルス性結膜炎ウイルスが原因で起こる結膜炎のことです。
・流行性角結膜炎(はやり目)
・咽頭結膜熱(プール熱)
・急性出血性結膜炎
目ヤニやまぶたの腫れによって、目のゴロゴロ感を覚えます。

「目ヤニが多く出る」「まぶたの腫れを感じる」「目が痒くなったり充血したりする」これらの症状を感じる場合は、結膜炎を疑ってください。

角膜炎

角膜は黒目の部分で、血管の無い無色透明な組織です。この角膜が炎症を起こすと、目の充血や痛み、異物感を覚えたり涙が過剰分泌されたりします。

結膜炎は、目の乾燥や異物の混入によって角膜が傷付くのが原因です。

傷付いた角膜を放置すると、角膜潰瘍や角膜穿孔を引き起こして、角膜の中心が細菌に侵されたり、角膜に穴が空いたりしています。

麦粒腫や霰粒腫などの腫れやできもの

「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」とは、いわゆる「ものもらい」のことで、「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」とは、しこりを感じる腫れ物のことです。

麦粒腫
(ばくりゅうしゅ)
まぶたの一部が細菌感染して、まぶたが赤く腫れた状態です。
痒みやまばたきをする際の異物感、まぶたが重くなり痛みを生じたりするなどの症状を覚えます。
また患部が膿を持ち、白くなることもあります。
霰粒腫
(さんりゅうしゅ)
涙を分泌する油の層、「マイボーム腺」に油脂が詰まって、まぶたの中に小さいしこりを感じます。
痛みを感じることは少ないですが、細菌感染するとしこりの周りが炎症して、赤く腫れて痛みを感じます。

加齢による疾患

加齢による疾患で、目がゴロゴロする場合があります。加齢による目のゴロゴロの疾患は、「結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)」「眼まぶた内反症(がんけんないはんしょう)」「緑内障(りょくないしょう)」が考えられます。

結膜弛緩症
(けつまくしかんしょう)
結膜部分の白目が、加齢でゆるむことによって起こる疾患です。目がゴロゴロしたり、涙が過剰分泌されたりします。
眼まぶた内反症
(がんけんないはんしょう)
いわゆる「逆さまつ毛」と呼ばれるものの一部です。
加齢でまぶたを支えている筋肉や靭帯がゆるんで、まぶたが内側に向かい、まつ毛が眼球に当たるようになります。
緑内障
(りょくないしょう)
眼圧(眼球内圧)が適正範囲を超えて視神経が不安定になり、ゴロゴロと感じます。
放置すると目の正常な機能を保てなくなり、視野が欠けてくるといった危険性があります。

目のゴロゴロが治まらないときは医師に相談を

2〜3日ほど目のゴロゴロが治まらない場合は、眼科で相談してみてください。目の疾患は、どれも症状が似ているので、自分ではどの病気か判断ができません。

必ず医師に原因を究明してもらい、治療を施してもらいましょう。また加齢による疾患は、年齢を重ねれば誰でも起こる症状です。

特に緑内障は、自覚症状がないまま病気が進行している場合があります。40歳前後になったら、1年に1回は眼科で定期検診を受けるのがおすすめです。

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