ブルーライトカットメガネの効果について|そもそもブルーライトはどんな光?
ブルーライトカットメガネについては、「かけても効果がない。」という議論を、たびたび目にします。
そもそもブルーライトが、どんな光であるのか、目に入ることでどんな効果や害があるのかを知らない人もいるでしょう。
この記事ではブルーライトの解説から、ブルーライトカットメガネの効果についての考察、眼精疲労を避けるための対策について解説していきます。
目次
ブルーライトとは
ブルーライトカットメガネを解説する前に、そもそもブルーライトとはどんな光なのか理解しておく必要があります。
こちらでは、ブルーライトについて解説しています。
ブルーライトは太陽からも出ている
ブルーライトと言うと、「スマホやパソコンから出ている有害な光」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、ブルーライトは太陽の光からも出ています。ブルーライトは「可視光線」という、目に見える光です。太陽を見てまぶしいと思うのは、可視光線が目に見えるからです。
ブルーライトの効果と懸念
太陽から出ているブルーライトは、朝に浴びると体内時計をリセットして、脳と体を活性化させてくれる働きがあります。
そのため、朝起きて30分ほど日光を浴びることは、セロトニンやビタミンDの分泌にもなるので、悪い事ではありません。
しかし、ブルーライトは強いエネルギーを持った光なので、目に入れるのは良くないです。
長時間ブルーライトを目に入れると、視界がちらつきやすくなったり目が疲れやすくなったりします。
また、過度にブルーライトを浴びると、体内リズムを崩して睡眠障害を引き起こす可能性があります。
紫外線やブルーライトについては、以下の項目でも詳しく解説しています!
メガネのブルーライトカット率
メガネのブルーライトカット率ですが、これはお店によって多少の差があります。
一般的には、透明度の高いレンズで20%〜30%、カット率が高いレンズで50%ほどです。つまり、ブルーライトを全てカットするわけではありません。
あくまで、目に入ってくるブルーライトの量を少なくするもの、と思ってください。
ブルーライトカットメガネは効果ある?効果ない?
ブルーライトメガネをかけることによる効果ですが、効果とはどのようなことを指すのかは人によって違います。
そもそも、ブルーライトカットメガネをかけたからと言って、眼精疲労のリスクがなくなったり、睡眠の質が改善したりするわけではありません。
2023年8月に国際目科学会誌で掲載された、メルボルン大学・ダウニー研究室の発表によると、レビューの主著者であるローラ・ダウニー氏は以下の結論を出しています。
「私たちは、コンピュータの使用に関連する視覚の疲労を減らすために、ブルーライトカットフィルター付きのレンズを使用することによる、短期的な利点はないかもしれないという結果を見出しました。」
情報引用元:国際目科学会誌
「ブルーライトカットメガネのレンズが、視覚の品質や睡眠関連の結果にどう影響するかは現時点では不明ですし、長期的な視網膜の健康への影響についても何も結論は出ていません。こうしたメガネを購入する際には、これらの調査結果を理解しているべきでしょう。」
この結論だけを見ると、ブルーライトカットメガネは一見全く効果がないように思えます。
ブルーライトカットメガネは「解決」ではなく「軽減」と考えておく
ブルーライトカットメガネは、眼精疲労や睡眠不足を解決する治療薬ではありません。
あくまで、目に入ってくるブルーライトを軽減するもの、くらいに考えておいた方が良いでしょう。
メルボルン大学・ダウニー研究室の発表によると、ブルーライトの有害性について、以下のように指摘しています。
「デジタル機器やLED機器に含まれるブルーライトは、網膜にストレスやダメージを与え、近視や睡眠パターンに影響を与える可能性がある。」
情報引用元:国際目科学会誌
総務省の発表によると、令和3年度の20代のインターネット利用時間は、「平日で275分、休日で303分」と出ています。
情報引用元:総務省|令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
スマホの画面を眺めている時間が長くなっている昨今、太陽の光も含めてブルーライトは目に入りやすいと言えます。
ブルーライトが目に入りすぎると、網膜にストレスやダメージがかかるので、少しでも負担を抑えるのがベターです。
ブルーライトメガネは、あくまでこういったリスクに対応するための軽減策、くらいに考えておいた方が良いでしょう。
眼精疲労を防ぐには「目の酷使」を避けることが大切
そもそも眼精疲労になる原因は、目の酷使による疲れ目です。たとえば、スマホやパソコンの画面を長時間見ると、まばたきの回数が減ってドライアイになりやすいです。
そのためスマホやパソコン操作をする際は、ブルーライトカットメガネをかけるだけでなく、1時間に5分程度は目を休ませるようにしましょう。
休憩中は目薬を差したり、目を温めたりすると疲労回復に効果的です。
スマホやパソコンを使うときは、画面から目を出来る限り離したり、意識してまばたきをしたりすることで、目の酷使をやわらげることができます。
目の酷使による眼精疲労の対策については、以下の項目でも詳しく解説しています!
ブルーライトカットメガネをかけて逆に疲れるのはなぜ?
「ブルーライトカットメガネをかけると、逆に疲れるようになった。」という意見をたまに見かけます。
ブルーライトカットメガネをかけて疲れるのは、レンズ裏面の反射光が原因かもしれません。
ブルーライトカットメガネは、レンズ表面(外側)のコーティングにより、ブルーライトを反射する構造になっています。
これはレンズの表面だけでなく、裏面(内側)でも同じような反射が発生します。この裏面で反射した光が目に入ることにより、疲れを感じるのかもしれません。
基本的には徐々に慣れてきますが、気になる場合は購入したメガネ店で相談してみてください。
ブルーライトカットメガネの効果についてのまとめ
- ブルーライトはスマホやパソコンの画面だけでなく、太陽の光からも出ている
- ブルーライトカットメガネは「解決」ではなく「軽減」と考えておく
- ブルーライトカットメガネをかけて疲れる原因は、レンズ裏面の反射光が考えられる
ブルーライトカットメガネをかけたからと言って、眼精疲労が解決したり防止できたりするわけではありません。まずは、目を酷使しないことを考えることです。
ブルーライトカットメガネは、「目に入ってくるブルーライトを、ある程度軽減できる。」くらいに考えておくと良いでしょう。