目の健康

近視の人が老眼になるとどうなる?両方の症状の場合のメガネ選びについて解説

たまに都市伝説的な感じで、以下の噂を耳にすることがあります。
「近視の人は老眼になることはない。」
「老眼になると近視が治る。」

残念ながら近視の人でも老眼になりますし、老眼になるからと言って視力が良くなることはありません。

この記事では近視と老眼の見え方、近視の人が老眼になった場合のメガネ選びについて解説していきます。

近視の人も老眼になる

近視の人でも、老眼になります。近視は遠くのものが見えづらく、老眼は手元のものが見えづらくなる症状です。

近視の人が老眼になると、遠くのものはもちろん手元のものが見えづらくなります。こちらでは近視と老眼、それぞれの症状について解説していきます。

近視とは

近視とは「近眼」とも言い、手元の距離は鮮明に見えるものの、遠くの対象物が滲んで見える状態です。

具体的には例えると、スマホ画面や本の文字は見えますが、遠くの看板やモニターの文字は見えにくくなります。

目は外部からの光線(平行光線)を水晶体で屈折させ、網膜上でピントを合わせて対象物を認識します。

近視になると、網膜で合うべきピントが手前で合ってしまうため、遠くの対象物が見えにくくなるのです。

近視が進行すると「強度近視」という症状になり、さらに遠くのものが見えにくくなります。

視力D(ディオプター)症状
0.5~0.1-1.00D~-3.00D以下軽度近視
0.1~0.01-3.00D~-6.00D以下中等度近視
0.01以下-6.00D以下強度近視

近視や強度近視については、こちらの記事でも詳しく解説しています!

老眼とは

老眼はスマホや本の文字など、近くのものが見にくくなる症状です。40歳頃から老眼の症状が現れ、45歳を過ぎると老眼鏡が必要になる人が増えます。

老眼の原因は、目の水晶体の厚みを調整する毛様体筋(もうようたいきん)という筋肉の衰えです。

手元のものを見る際、毛様体筋を緊張させて水晶体に厚みが出ることで、ピントが合うようになります。

しかし年齢を重ねると、水晶体の弾力が徐々に失われて筋肉が硬くなるのです。

筋肉が硬くなると、毛様体筋が緊張しても水晶体の厚さが変わらなくなるので、手元のものが見えにくくなります。

老眼については、こちらの記事でも詳しく解説しています!

近視の人が老眼になったらどうする?両方の症状には累進レンズを

近視の人でも40歳を過ぎると老眼を感じるようになり、手元のものが見えづらくなります。

近視の人が老眼になった場合は、通常の近視矯正メガネではなく、手元と遠くの距離が見える「累進(多焦点)レンズ」の使用がおすすめです。

累進レンズとは

累進レンズとは、1枚のレンズで近距離から遠距離まで見えるレンズのことです。「累進多焦点レンズ」「多焦点レンズ」「累進屈折レンズ」とも呼ばれています。

累進レンズには主に以下の種類があります。

レンズ見え方
遠近両用レンズ手元、中間、遠方が見える三段構造のレンズ
中近レンズ手元から4mほどの距離が見える二段構造のレンズ
近々レンズ手元から1mほどの距離が見える二段構造のレンズ
アシストレンズ手元と遠方が見える二段構造のレンズ

視力が悪い人向けの、一般的な近視矯正用のメガネは「単焦点レンズ」です。

環境にあったレンズ選びが大切

累進レンズを購入する際は、環境に合ったものを選ぶのが大切です。たとえば遠近両用両用レンズは手元、中間、遠方が見えるため万能のように思えます。

ただし、三段構造のため慣れるまでに時間がかかり、度数の変化で目が疲れやすくなるのがデメリットです。

環境にあったレンズの選び方は、以下の表を参考にしてください。

レンズ向いている作業や環境
遠近両用レンズ車を頻繁に運転する人、外での作業が多い人
中近レンズデスクワーク、家事など自宅での作業が多い人
近々レンズデスクワーク、PCでの作業が多い人
アシストレンズ本やスマホを見ながら、遠くのものも見たい人

累進レンズについては、こちらの記事でも詳しく解説しています!

近視の人が老眼になることについて、その他の質問や噂

こちらでは、近視と老眼に関する噂やその他の質問について解説していきます。

Q.「老眼になると近視が治る」というのは本当ですか?

A.誤りです。

老眼になっても、残念ながら近視が治ることはありません。

Q.老眼になると近視が進行しますか?

A.老眼が原因で、近視が進行することはありません。

正確に言えば加齢による眼の機能の衰え、スマホやPCでのゲーム・動画視聴などを長時間することで、遠くにピントが合いづらくなることがあります。

Q.「強度近視は老眼鏡がいらない」というのは本当ですか?

A.誤りです。

老眼は加齢による水晶体の調整力が衰えることで、近くのものを見るときにピントが合いづらくなります。

近視の具合に関わらず同じように進行するため、何かしらの対策が必要です。

「老眼鏡がいらない」と言うよりも、近視矯正と老眼に対応した累進レンズを使用してください。

近視の人が老眼になるとどうなるかについてのまとめ

  • 近視の人でも老眼になる
  • 近視と老眼、両方の症状には累進レンズがおすすめ
  • 老眼になっても、近視が進行したり近視が治るといった視力の変化はない

近視の人が老眼になると、遠くのものはもちろん手元のものも見えづらくなります。

近視矯正のメガネを使用している人は、老眼になったら遠近両用やアシストレンズなどの、累進レンズの使用がおすすめです。

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