日本人の視力の平均はいくつ?大人や子供など、年齢別の視力について解説
メガネやコンタクトユーザーが多い昨今、日本人の平均視力がいくつくらいか気になる人もいるのではないでしょうか?
厚生労働省といった行政がデータを公開しているわけではありませんが、民間の業者が成人の平均視力について調べています。
また文部科学省の場合は、小学生〜高校生までの視力を公表しているので、資料を見てみると成人や児童の視力がいくつくらいか見えてきます。
この記事では、成人・子供の視力のデータを中心に日本人の平均視力、視力低下のリスクについて解説していきます。
目次
20代~60代の視力の平均値と中央値は「0.5」
2018年に調査会社のマクロミルが、20〜69歳の男女を対象にアンケート調査したところ、大人の平均視力は「0.5」であるという結果が出ました。
【年齢別の視力】
0.1未満 | 0.1~0.4 | 0.5~0.9 | 1.0~1.4 | 1.5以上 | 分からない | |
---|---|---|---|---|---|---|
20代 | 28.4% | 22.3% | 18.7% | 10.3% | 9.4% | 11.0% |
30代 | 35.7% | 22.2% | 16.3% | 13.5% | 9.2% | 非表示 |
40代 | 32.4% | 20.0% | 19.8% | 12.8% | 7.4% | 7.6% |
50代 | 29.5% | 27.7% | 22.5% | 11.9% | 非表示 | 6.0% |
60代 | 22.8% | 26.5% | 31.0% | 8.6% | 非表示 | 9.7% |
全体 | 29.7% | 23.8% | 22.0% | 11.5% | 5.7% | 7.4% |
情報引用元:マクロミル公式X(旧Twitter)
情報引用元:大人の視力、平均値は「0.5」 「メガネ男子・女子」好きは3割超:視力が落ちた時期は…… – ITmedia ビジネスオンライン
※青文字は中央値、赤文字は最頻値
※5.0%以下の数値については「非表示」
全体で見たときに、裸眼の視力について「1.5以上の視力がある」と回答した割合は右目・左目ともわずか5.7%でした。
対して、視力0.1未満が全体で29.7%になるなど、8割以上が1.0未満です。
ただし、20〜50代に関しては「0.1未満」の割合が最も多かったのに対して、60代は「0.5〜0.9」の割合が多く、「0.1未満」の割合は3番目に多かったです。
視力「0.5」の見え方はどれくらい?メガネは必要?
視力が「0.5」ほどであれば、読書やテレビの字幕、黒板やホワイトボードの文字がだいたい見えます。
日常生活には支障するレベルではありませんが、距離が離れると細かい文字が見えないので、場合によってはメガネやコンタクトレンズが必要です。
また車を運転する場合は、両目で「0.7」以上ないと免許を取得できません。
そのため、平均であっても視力が「0.5」の場合は、メガネやコンタクトレンズを持っておいた方が良いでしょう。
各視力の見え方に関しては、以下の表にまとめたので参考にしてください。
1,0以上 | 「健常視力」と呼ばれ、日常生活では問題なく見えるためメガネは必要ありません。 |
0.9~0.7 | 教室のどこからでも黒板の文字が見えますが、遠くの文字がにじむなど、人によっては見えにくいと感じることがあります。 メガネの必要はありませんが、見え方が気になる場合は医者で目の状態を確認してもらいましょう。 |
0.6~0.3 | 席によっては、黒板やホワイトボードの文字が見えにくいことがあります。 「見えづらい」と感じることがあれば、メガネの購入をおすすめします。 運転免許の場合は両目の視力が0.6以下だと、メガネやコンタクトが必須です。 |
0.2以下 | メガネやコンタクトを常用しましょう。 裸眼でものが見えない状態で、最前列の席でも黒板の文字が見えにくい視力です。 |
小学生・中学生・高校生の視力はどれくらい?
令和4年11月に文部科学省が公表した「学校保健統計確報値」によると、裸眼視力が1.0未満と0.3未満の中高生の割合が、過去最悪であることが分かりました。
視力1.0未満の学生の割合 |
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●小学生:36.87% ●中学生:60.66% ●高校生:70.81% |
視力0.3未満の学生の割合 |
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●小学生:10.64% ●中学生:28.86% ●高校生:42.75% |
また、資料には小学生でも年齢が上がるにつれて、徐々に視力が低下する割合が増えていることが指摘されています。
裸眼視力1.0未満の者の割合は、年齢が高くなるにつれておおむね増加傾向となっており、小学校1年生で約4人に1人、小学3年生で約3人に1人、小学6年生では約半数となっている。
引用:文部科学省|令和3年度学校保健統計(確報値)の公表について
2023年現在では、さらに平均視力が低下している可能性も
冒頭で紹介したデータは、あくまで2018年のものです。そのため、2023年ではさらに平均視力が低下している可能性があります。
視力低下の原因は、「スマホなどのデジタル機器による目の酷使」と「外の景色を見なくなること」などです。
2020年以降、新型コロナウイルスが流行したことにより、外出の機会が減って自宅でスマホに触れる時間が増えた人が多いと思います。
スマホは日常生活に欠かせなく、仕事でパソコンを使う人は多いです。そのため、平均視力の低下は、ますます進行していると考えて良いでしょう。
急激な視力低下は、目の病気の可能性がある
成人になって視力が急激に低下した場合、もしかしたら目の病気かもしれません。特に短期間で視力が急激に低下した場合は、医者に診てもらいましょう。
また40代は、老眼になる年齢です。手元のものが滲んで見えるようになったときは、老眼鏡や遠近両用メガネで対応しましょう。
そして、40代になると白内障や中心性漿液性脈絡網膜症( ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)といった病気を発症するリスクが上がります。
そのため40歳前後になったら、定期的に眼科検診を受けるようにしてください。
スマホやパソコンの画面を見るときは、目を休ませる習慣をつける
現代ではスマホは日常生活に必須で、仕事ではパソコンを使う人が多いです。
スマホやパソコンの画面を長時間見ると、姿勢が悪くなったりまばたきの回数が減ったりして、視力の低下が進みます。
そのため、スマホでゲームや動画を長時間視聴したり、パソコンで作業をしたりする際は、1時間に5分程度は目を休めるようにしてください。
目を休めるときは、蒸しタオルで目を温めたり、目薬をさしたりすると効果的です。
また画面を見る際は、意識してまばたきをすることで、目が乾くのを防ぐことができます。
平均視力についてのまとめ
- 2018年のデータによると、20代~60代の視力の平均値と中央値は「0.5」
- 小学生~高校生では、視力の低下が進んでいる
- 2023年現在では、さらに平均視力が低下している可能性がある
視力「0.5」を、高いと捉えるか低いと捉えるかは人それぞれですが、日常生活においては問題ないレベルです。
ただし、両目の視力が0.7以上でないと運転免許を取得できないので、メガネやコンタクトを使用している人は多いと考えて良いでしょう。