アシストレンズと遠近両用メガネの違い|用途によって使い分けを
スマホが欠かせない現代社会に合わせて、「アシストレンズ」というメガネが開発されました。
アシストレンズとは、遠方を見るときの近視矯正に加えて、手元にあるスマホの画面を見るのにも最適なレンズです。
遠方と近方の両方が見やすい、となると「遠近両用メガネ」を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?実は、アシストレンズと遠近両用メガネでは明確な違いがあります。
この記事ではアシストレンズと遠近両用メガネの違い、それぞれのレンズのおすすめの用途について解説していきます。
目次
アシストレンズと遠近両用メガネの違いは「度数の構造」
アシストレンズも遠近両用レンズも、「累進レンズ」に分類されます。累進レンズとは、1枚のレンズで手元から遠距離まで見えるよう、複数の度数で構成されているレンズです。
アシストレンズと遠近両用メガネの違いとして、度数の構造の違いが挙げられます。
- アシストレンズ:遠方と近方の二段構造
- 遠近両用メガネ:遠方・中間・近方の三段構造
ここでは、それぞれのメガネの特徴について解説していきます。
アシストレンズとは
アシストレンズは、「スマホレンズ」「スマホアシストレンズ」「アイアシストレンズ」「サポートレンズ」とも呼び、スマホやタブレットを見る機会の多い、若年層に向けられたレンズです。
どれも度数の構造は一緒ですが、メーカーやブランドによって呼び方が異なります。アシストレンズは遠距離を見るのに最適で、なおかつスマホなどの手元のものを見るのにも最適なように作られています。
遠近両用メガネとは
遠近両用メガネとは、数10メートル先の遠方から、数メートル先の中間距離、スマホなどの手元の距離まで見やすいメガネのことです。遠方・中間・近方では、人の目線は以下の方向を向きやすいです。
- 遠方:目線を上げる
- 中間:目線を真っすぐにする
- 近方:目線を落とす
このためレンズの上部は遠方用の度数に、レンズの真ん中は中間用の度数に、レンズの下部は手元を見るための度数と、三段構造になっています。
近視で遠くを見たいのはもちろん、手元のものを見る機会が多い人にも愛用されています。
万能なメガネに感じますが、「慣れるまでに時間がかかる」といったデメリットがあります。
遠近両用のレンズに慣れるまでは、度数の変化で目が疲れやすくなったり、視界の歪みを感じたりするので注意してください。
遠近両用レンズに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
アシストレンズと遠近両用メガネのおすすめシーンについて
アシストレンズと遠近両用メガネは同じ累進レンズですが、度数の構造が異なります。
似て非なるレンズで、車の運転には「遠近両用メガネ」を、スマホやデスクワークには「アシスタントレンズ」を使うのがおすすめです。
車の運転には「遠近両用メガネ」
車を運転する際は、遠方から手元まで様々な距離で、瞬時に視界を切り替えます。たとえば数百メートル先の道路状況を見たり、前方との車との車間距離、カーナビの画面などです。
そのため車を運転する際は、遠方・中間・近方の視界を瞬時に切り替えられる、遠近両用メガネをおすすめします。
注意点として、遠近両用メガネに慣れていない間は、運転中の使用を控えてください。「遠近両用メガネとは」の項目でも解説しましたが、遠近両用メガネに慣れていないと、目が疲れやすく視界の歪みを感じやすいです。
事故の原因になるので、遠近両用メガネに慣れるまでは通常のメガネ、もしくはコンタクトレンズを使用しましょう。
車の運転に遠近両用メガネをすすめる理由に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
スマホやデスクワークには「アシストレンズ」
アシストレンズは、スマホの画面を見る機会が多い現代社会に向けて作られたレンズです。そのため、スマホで動画視聴やゲームをするときはもちろん、パソコンでのデスクワークに向いています。
また、遠近両用メガネの場合、度数が三段構造になっているため、目がレンズに慣れるまで度数の変化で目が疲れやすくなったり、視界の歪みを感じたりするデメリットがあります。
しかし、二段構造のアシストレンズの場合は、慣れるまで時間がかからず、目の疲れや視界の歪みを感じることは少ないです。
「近視+老眼」にはアシストレンズ?遠近両用メガネ?
近視の人の場合、老眼になると遠方のものに加えて、手元のものを見る際にも目のピントを合わせづらくなります。
その場合は、アシストレンズか遠近両用メガネ、どちらを使うのが良いのでしょうか?
結論から言えば、どちらでもかまいません。違いを挙げるとしたら、老眼初期かどうかで変化します。
【アシストレンズ】
40代後半など、老眼が進行してきたときに使うのがおすすめです。老眼が進行した状態では、遠近両用メガネに慣れるまでに時間がかかるため。
【遠近両用メガネ】
40代前後の、老眼初期にかけるのがおすすめ。老眼初期から遠近両用メガネにすることで、歪みが少なくなり慣れるのも早くなります。
アシストレンズは「デジタルレンズ」がおすすめ
アシストレンズの中でもおすすめしたいのが、ZEISS(カールツァイス)が開発した「デジタルレンズ」です。デジタルレンズの特徴は、以下の通りになります。
- 目の焦点が合わせやすい
- 目が疲れにくく、ストレスを感じにくい
- 遠近両用メガネと違い、慣れるのが簡単
- 極めて薄く軽いレンズ強度数でも作れる
- 長時間かけても目や顔に負担がかからない
デジタルレンズの具体的な見え方については、以下の画像を参考にしてください。
「クリアゾーン」遠くがはっきり見える度数
「デジタルゾーン」手元がはっきりと見える度数
デジタルレンズに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。