強度近視について|原因や失明との関係、医師に相談して適切なメガネで対応する
「目の近くまで、スマホを持ってこないと文字を読めない。」
こういった状態は、もしかしたら「強度近視」かもしれません。強度近視とは、近視がより進行した状態で、放置しておくと深刻な眼の病を発症します。
強度近視とは、どのような状態なのか?この記事では、強度近視の特徴やリスクについて解説していきます。
目次
強度近視とは?放置した場合のリスクや、強度近視の原因について
強度近視とは、近視がより進行した状態です。こちらでは強度近視の詳細から、放置した場合のリスク、強度近視の原因について解説していきます。
強度近視とは
上の画像が、通常の正視と強度近視の比較です。眼は見るものの距離によって、水晶体の厚さを変えることで焦点を網膜に合わせます。
しかし、強度近視は眼軸の長さが伸びているため、網膜に焦点が合わず、ものがぼやけて見えてしまいます。
近視ではない通常の眼球の長さ、いわゆる「眼軸長」は、一般的に直径24mm程度です。この眼軸長が27mm以上の場合は、強度近視に分類されます。
強度近視が放置すると「病的近視」になるリスクも
強度近視で眼軸長が大きくなると、網膜や脈絡膜が後方に引き伸ばされるため、眼に強い負荷がかかります。
眼に強い負荷がかかると眼底に様々な異常をきたして、最悪の場合は「病的近視」になります。
病的近視になると、ものが歪んで見えたり、視界に暗い部分が発生したりして危険です。
また、メガネやコンタクトレンズによる視力矯正が難しくなり、最悪の場合は失明になるリスクもあります。
情報引用元:病的近視とは?|日本近視学会 Japan Myopia Society
強度近視の原因
強度近視になる原因というのは、実はまだ詳しく解明されていません。普段の眼の使い方などの環境的な要因、そして遺伝的な要因が関係していると考えられています。
京都大学の研究によると、「強度近視の失明原因となる黄斑症の発症に関わる遺伝子・分子CCDC102Bを発見した。」と、あります。
まだまだ解明されていないことは多いですが、遺伝により強度近視になるリスクは避けられません。
情報引用元:京都大学/強度近視の失明メカニズムに関わる遺伝子変異を発見
子供の強度近視について
強度近視とは、近視がより進行した状態です。こちらでは子供の近視の増加と、近視の予防策について解説していきます。
視力0.3未満の小学生は30年間で3倍に増えている
文部科学省学校保健統計調査報告書によると、この30年間で裸眼視力0.3未満の小学生の頻度が約3倍に増加している、と記されています。
近視の増加の原因については、以下のようにまとめられています。
- スマホやタブレット端末の普及の影響による、近視発症のリスク要因である近業時間の増加
- 新型コロナウィルス感染拡の外出自粛により、児童生徒の屋外活動時間が減少していること
年齢が低いほど環境変化によって近視が発症するリスクは高く、10歳以下で近視が発症した場合は、近視は強度に至る可能性が高いです。
「近視が強度に至れば中年期以降、失明につながるさまざまな眼疾患のオッズ比によるリスクは高まる。」と、資料には記されています。
情報引用元:文部科学省|令和3年度 児童生徒の近視実態調査 調査結果報告書
子供の近視の進行を防ぐには?
強度近視になるのを防ぐには、まずは近視になるリスクを下げなければいけません。
そのため、スマホの見方に気を付けたり、積極的に子供を外で遊ばせるようにしましょう。
スマホを見るときは背筋を伸ばして、顔から距離を30センチ以上離して見るようにしてください。
また、外で1日に2時間以上遊ぶと近視の進行を抑制する、と言われています。近くに公園があれば、積極的に外で遊ばせるようにしましょう。
実際に文部科学省の資料によると、「中国では3年間にわたり毎日40分間以上多く屋外で過ごした子供は、調査対照群よりも近視になりにくかった。」と記されています。
情報引用元:文部科学省|デジタル教科書を利用する場合の留意事項について
近視や、子供の視力低下を防ぐ生活習慣については、以下の記事でも詳しく解説しています。
強度近視で起こる合併症と失明の関係
こちらでは、強度近視で起こる合併症と失明との関係について解説していきます。
強度近視で起こる合併症
強度近視を放置すると、以下の合併症が起こるリスクがあります。
病名 | 症状 |
近視性牽引黄斑症 | 網膜の中心である黄斑が裂け、ものが歪んで見えます。 |
近視性視神経症 | 視神経の障害が生じて、緑内障のように視野が欠けてきます。 |
近視性脈絡膜新生血管 | 血管から血が出たり、水が生じて目の奥に溜まったりします。視界の一部が見えなくなったり、ものが歪んで見えてきたりします。 |
網膜剥離 | 視界に黒い虫のようなものが見えて、急激な視力低下や失明の可能性があります。 |
いずれも眼軸長が大きくなり、網膜が引っ張られることで起こる病気です。
近視でありながら以下の症状が表れた場合は、いずれかの病気になっている可能性があります。
【病的近視の症状】
- 対象物が歪んで見える
- 視界がぼやける
- 視界の中心が暗くなる
- 視野の一部に光が入る
- 視野の一部が欠けてしまう
- 視界に黒い虫のような物がある
強度近視と失明
京都大学の資料によると、「日本では失明(WHO基準の矯正視力 0.05 未満)の原因の1位は強度近視。」と、記されています。
資料によると、「強度近視の約40%が黄斑症を発症し始めており、約6%は治療をしても10年以内に失明する。」と、まとめられています。
近視や病気の進行具合にもよりますが、強度近視になると失明になるリスクは明らかに高まる、と言っても良いでしょう。
情報引用元:京都大学/強度近視の失明メカニズムに関わる遺伝子変異を発見
強度近視による視力低下は自力での回復が困難
強度近視になると、自力で視力を回復させて対応するのは不可能です。必ず眼科に行って、医師に相談してください。
もしも視力を回復させたいなら、ICL手術を受けることになります。
ICL手術とは「有水晶体眼内レンズ手術」と言い、水晶体を残したまま角膜を3mmほど切って、眼球の中にレンズを挿入する手術のことです。
「眼内コンタクトレンズ」とも呼ばれる新しい屈折矯正方法で、近視・遠視・乱視を矯正できます。
角膜をレーザーで薄く調整して、角膜のカーブを変えることで屈折矯正をする、「レーシック手術」とは異なります。
近視の場合は、定期的な眼科検診を受ける
近視の場合は、定期的な眼科検診を受けるようにしてください。強度近視とは、近視がより進行した状態です。
近視を放置しておくと、いつ強度近視になるか分かりません。最悪の場合は病的近視になり、失明するリスクもあるので、眼科で眼の状態を定期的に確認してください。
少なくとも、年に一度は眼科で検診を受けるようにしましょう。
Glass Factoryでは強度近視の人に対応したメガネの販売実績あり
強度近視といっても病的近視の状態でなければ、メガネやコンタクトレンズによる視力矯正は可能です。
そのため、強度近視については医師に相談しながらも、専門店で強度近視専用のメガネやコンタクトレンズを作りましょう。
Glass Factoryでは、強度近視の人に対応したメガネの販売実績があります。
Glass Factoryでは、グローバル基準のドイツ式MCH検査(両眼視機能検査)を実施しているので、詳しくはホームページやお近くの店舗にお問い合わせください。
- Glass Factory公式サイト
URL:https://glassfactory-shop.jp/
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