遠近両用メガネのデメリット解消法|シーン毎に合わせたレンズの選択も解説
累進レンズである遠近両用メガネは、遠方から近方まで見えます。色んな距離感で最適に見える一方、目線と度数が合わないと、目が疲れたり視界に歪みを感じたりするのがデメリットです。
そんな遠近両用メガネのデメリットですが、フレームの選び方や見方の訓練次第では解消も可能です。
この記事では遠近両用メガネのデメリットの解消の仕方に加えて、遠近両用メガネをかけるのに最適な場面についても解説していきます。
遠近両用メガネとは
遠近両用メガネとは、十数メートルや数十メートル先の遠方から、スマホなどの手元の距離まで見やすいメガネのことです。
1枚のレンズで遠距離と近距離、そして中間距離が最適に見えるように、以下の画像のような三段構造になっています。
人間が遠くを見るときは目線を上げるため、レンズの上部が遠距離に最適な度数になっています。中間を見るときは視線は真っすぐに、手元のものを見るときは目線を落とします。
そのため、目線の向きに合わせて度数の構造が異なるのが、遠近両用メガネです。近視で遠くを見たいのはもちろん、手元のものを見る機会が多い人にも愛用されています。
遠近両用メガネに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
遠近両用メガネのメリット・デメリット
ここでは、遠近両用メガネのメリットとデメリットについて解説していきます。
遠近両用メガネのメリット
遠近両用メガネのメリットは、遠方から手元までどの距離でも見やすいことです。人間は40歳を過ぎると、近くにピントを合わせる機能が落ちてきます。
いわゆる「老眼」が始まり、手元の文字やスマホの画面が見えづらくなります。そうなると老眼鏡をかけるのが一般的ですが、近視の場合は遠くの距離もケアしなければいけません。
そのため、近視と老眼が気になる人に最適なのが、遠近両用メガネです。遠近両用メガネは、遠くのものも手元のものもよく見えます。
遠近両用メガネのデメリット
遠近両用メガネのデメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 目が疲れる
- 視界が狭く感じる
- 揺れや歪みを感じる
遠近両用メガネは度数が三段構造になっているため、目の疲れや視界が狭く感じやすいです。また、顔を動かしたときや目線を変えたときに、揺れや歪みを感じる可能性があります。
ただしこれらのデメリットは、かけているうちに慣れてきます。遠近両用メガネをかけ始めたときは、このようなデメリットを感じやすいことを覚えておいてください。
遠近両用メガネで失敗しないための方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
遠近両用メガネのデメリットを解消するには?
遠近両用メガネのデメリットを解消するには、以下の方法を試してください。
- 縦幅が広いフレームを選ぶ
- 見方を訓練する
- 老眼初期から使用する
縦幅が広いフレームを選ぶ
三段構造になっている遠近両用メガネの場合、レンズの上下の幅が狭いと歪みは大きくなります。そのため、縦幅の広いフレームを選ぶのがおすすめです。最適な幅としては、3cm以上のフレームを選択してください。
見方を訓練する
遠近両用レンズは、複数の度を同じレンズに入れています。正しい見方でないと、揺れや歪みを感じることがあります。目線と度数が合わないと見え方が変わってくるので、最初は見方の訓練が必要です。
たとえば遠くを見る時は、アゴを少し引きレンズ上部に視線を合わせるようにしてください。
反対に、近くを見るときは視線だけを下げたり、足元を見るときは顔ごと下を向いてレンズの上部に視線がくるように見たりしましょう。
老眼初期から使用する
近視に加えて老眼を感じたら、遠近両用メガネを使用するのがおすすめです。老眼が進行してから遠近両用メガネを作ると、遠方と近方の度数の差が大きくなります。
度数の差が大きいと、歪みや揺れを感じやすいです。そのため、老眼初期から遠近両用メガネにすることで、歪みが少なくなり慣れるのも早くなります。
また、最初に歪みの少ないレンズで遠近両用メガネに慣れておけば、近くを見るための度が強くなっても、新しいレンズに慣れるのが早くなります。
遠近両用メガネをかけるのに最適な場面
遠近両用メガネをかけるのに最適な場面は、車の運転と乱視のケースです。
車の運転
車を運転する際に、遠近両用メガネは最適です。車を運転する際は、遠方から手元まで様々な距離で、瞬時に視界を切り替えます。
【運転時の視界】
- 遠距離:数百メートル先の道路状況
- 中距離:前方の車との車間距離
- 近距離:カーナビの画面
これらに加えて、道路標識や道路標示も遠距離〜近距離まで瞬時に把握しなければいけません。そのため、様々な距離感に対応している遠近両用メガネは、車の運転には最適です。
ただし、遠近両用メガネに慣れていない場合は、使用を控えてください。遠近両用メガネに慣れていないと、目が疲れやすく視界の狭さや歪みを感じやすいです。
事故の原因になるので、遠近両用メガネに慣れるまでは通常のメガネ、もしくはコンタクトレンズを使用しましょう。
乱視にもおすすめ
乱視の場合、遠近両用メガネの選択もおすすめです。乱視の人は、遠方のときも近方のときも、ものがブレて見えています。
ピントが定まりにくいため、一般的なメガネ(単焦点レンズ)をかけても、ものがよく見えません。
そのため、乱視には度数が三段構造になっている遠近両用メガネ(累進レンズ)がおすすめです。遠近両用メガネをかけることで、遠方のときでも近方のときでも、ものがブレずにクリアに見ることができます。
乱視と遠近両用メガネに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
動画視聴やデスクワークには「デジタルレンズ」がおすすめ
現在では、スマホで動画や文章を見ることが多いです。近視の人で一般的な近視矯正レンズをかけていると、遠くのものを見るときは問題ありませんが、近くのものを見るときは疲れを感じることも珍しくありません。
そのため、遠方から近方まで見える遠近両用メガネは、最適に思えます。しかし、遠方と近方を見るだけなら「デジタルレンズ」がおすすめです。
デジタルレンズとは、老舗メーカー「ZEISS(カールツァイス)」が開発したアシストレンズの一種です。スマホやパソコンの画面を、長時間見るのに最適な造りになっています。
【デジタルレンズの構造】
三段構造になっている遠近両用メガネと違い、デジタルレンズは二段構造になっています。そのため視界が狭く感じたり、揺れや歪みを感じたりするといった、遠近両用メガネのデメリットも気になりにくいです。
デジタルレンズに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。