非球面レンズとは?球面レンズとの違い、非球面レンズのメリット・デメリットを解説
メガネのレンズは「球面レンズ」と「非球面レンズ」の、2つの設計に分類されることをご存知でしょうか?
非球面レンズには「片面非球面レンズ」と「両面非球面レンズ」の2種類があり、メガネをかけたときに目の負担を軽減できるのが特徴です。
この記事では、非球面レンズの特徴や設計を中心に、メリット・デメリットについて解説していきます。
非球面レンズとは?
メガネのレンズは単焦点レンズと累進レンズに分けられ、単焦点レンズには球面レンズ・非球面レンズの2種類があります。
非球面レンズとは、レンズの片面もしくは両面のカーブが少ないレンズのことです。非球面レンズには「片面非球面レンズ」と「両面非球面レンズ」の2つの種類が存在します。
片面非球面レンズ | レンズの表側が非球面の「外面非球面レンズ」と、レンズの裏側が非球面の「内面非球面レンズ」が存在します。 |
両面非球面レンズ | 両面非球面レンズとは、レンズの表も裏も非球面のレンズのことです。 |
片面非球面レンズのことを単に「非球面レンズ」と呼ぶ場合もあります。
非球面レンズは急なカーブを減らすことで、視界の歪みが起きにくいのが特徴です。また、球面レンズよりも重量が軽くなっています。
球面レンズ、非球面レンズ、両面非球面レンズの設計
球面レンズ、非球面レンズ(片面非球面レンズ)、両面非球面レンズの設計や特徴については以下の通りです。
球面レンズ | 従来からあるレンズです。 レンズの中心(光学中心)から周辺に向かって、一定のカーブによってできています。 |
非球面レンズ (片面非球面レンズ) | レンズの中心から周辺にいくに従い、カーブをゆるくしているレンズです。 視界の歪みが軽減され、レンズを薄く仕上げることができます。 |
両面非球面レンズ | レンズの両面に加工したものが、両面非球面のレンズです。 非球面レンズよりも、さらにレンズが薄くなっています。 |
実は、眼の角膜の形も非球面です。そのため非球面レンズや両面非球面レンズの方が、裸眼と同じような感覚でモノを見ることができます。
非球面レンズや両面非球面レンズのメリット・デメリット
こちらでは、非球面レンズや両面非球面レンズのメリット・デメリットについて解説していきます。
メリットは目の負担が少なく、目が小さく見えにくい
非球面レンズや両面非球面レンズは、レンズ周辺部の歪みが少ないため、見え方のズレが少ないです。レンズ自体が薄いため、メガネをかけても軽く感じます。見え方のズレが少なく重量が軽いため、目の負担が少ないのがメリットです。
また、非球面レンズはレンズ越しの輪郭の段差が少ないため、メガネをかけることで目が小さく見えることもありません。
デメリットは、価格が高いこと
非球面レンズや両面非球面レンズは、価格が高くなることです。値段の高さで言えば「両面非球面レンズ>非球面レンズ(片面非球面レンズ)>球面レンズ」の順番になります。
非球面レンズや両面非球面レンズがおすすめの人
非球面レンズや両面非球面レンズがおすすめなのは、メガネの度数が強い人や乱視の人です。
メガネの度数が強い人
メガネは度数が高くなるほど、レンズが分厚いです。球面レンズだと視界に歪みが出たり、重量が重くなったりします。また、レンズ越しの輪郭の段差が出るため、目が小さく見えてしまいます。
そのため、視力0.1未満でメガネの度数が強い人の場合は、非球面レンズや両面非球面レンズにするのがおすすめです。
乱視の人は両面非球面レンズがおすすめ
乱視用の人は見え方の歪みが出やすいため、球面レンズや非球面レンズよりも、両面非球面レンズにするのがおすすめです。
2つの度数がある乱視度数をレンズの表面と裏面に設計することで、見える領域が広がって目の負担を軽減できます。
非球面レンズについてのまとめ
非球面レンズ(片面非球面レンズ)や両面非球面レンズは、レンズ周辺部の歪みが少ないのが特徴です。見え方のズレが少なく、重量も軽いのもメリットです。
度数が強い人は非球面レンズにしたり、乱視の人は両面非球面レンズをかけると、目の負担を少なくすることができます。